
小天温泉
小天温泉は熊本県玉名市天水町小天、金峰山の西斜面のみかん畑に湧く温泉です。夏目漱石が明治30年に逗留し、小説『草枕』に那古井温泉として描いた湯で、漱石が泊まった前田家別邸の跡には漱石館と石造りの浴場跡が残ります。泉質は弱アルカリ性の単純温泉で刺激が少なく、大浴場や露天風呂からは有明海の向こうに雲仙普賢岳が横たわります。宿は明治元年創業の那古井館と公営の草枕温泉てんすいが中心で、有明海に沈む夕日が知られています。

山鹿温泉
熊本県山鹿市、菊池川の流域に開けた歴史ある温泉地です。街の中心に建つ元湯「さくら湯」は、寛永17年(1640年)に肥後細川藩初代藩主・細川忠利が御茶屋として新築したもので、落成の折には宮本武蔵が招かれたと伝わります。明治5年に市民温泉として生まれ変わり、昭和48年にいったん解体されたのち、平成24年に木造で復元されました。泉質はアルカリ性単純温泉で、まろやかな肌ざわりが持ち味。豊前街道の町並みや明治43年建築の芝居小屋・八千代座、夏の山鹿灯籠まつりなど、湯上がりに歩ける見どころがそろっています。

平山温泉
熊本県山鹿市の山あいに湧く平山温泉は、まとまった温泉街をつくらず、田園風景の中に宿と貸切の家族湯が点在する温泉郷。日本温泉協会は泉質を硫黄泉とし、熊本県公式観光サイトは「化粧美容液のような、ぬるぬるとしたお湯」と表現します。源泉かけ流しの宿が多く、日帰り入浴や家族湯を利用しやすいのが特徴です。九州自動車道南関ICから約30分、玉名駅からのバス便もあり、福岡方面からも訪ねやすい立地。3月下旬から4月中旬は周囲の畑を菜の花とれんげが彩ります。

日奈久温泉
熊本県八代市の八代海(不知火海)に面した日奈久温泉は、1400年超の歴史を持つ九州最古級の温泉地の一つ。鑑真や行基といった高僧が湯治に立ち寄ったと伝えられ、江戸時代には薩摩街道の宿場町として薩摩藩士も利用した由緒ある湯処。八代海を望む温泉旅館が並び、海と一体化した露天風呂が名物です。泉質は単純温泉で神経痛・筋肉痛・冷え性に効能。周辺は八代城跡・松浜文庫・八代神社などの歴史地区や、日奈久断層帯のジオサイトなど、見どころも豊富で歴史と自然を満喫できます。

杖立温泉
熊本県阿蘇郡小国町の杖立川沿いに湧く杖立温泉は、寛政年間にシーボルトが欧州に紹介した九州最古級の古湯の一つ。杖立川の両岸に古い木造旅館が軒を連ね、かつては川底から自噴する温泉を『川の湯』として庶民が楽しんだ混浴文化が有名。今も『杖立温泉 旅館組合』が管理する『川の湯』が残り、宿と外湯めぐりも楽しめます。泉質は単純弱放射能泉とナトリウム-塩化物泉で神経痛・関節痛・婦人病に効能。大分県玖珠町側のわいた温泉・筌の口温泉と周遊できる九州横断の要衝です。

植木温泉
植木温泉は熊本県熊本市北区植木町、市街地から国道3号を北へ約20キロメートル進んだ合志川沿いに広がる温泉地です。熊本市の奥座敷と呼ばれ、開湯から130年を超えます。かつては平島温泉と呼ばれ、小野小町が産湯に使ったという伝説も残ります。川沿いに十数軒の旅館が並び、泉質は単純硫黄泉と弱アルカリ性単純温泉。宿ごとに源泉を持つため、湯の肌ざわりや色合いが少しずつ異なり、とろりとした感触から玉の肌と形容されてきました。

湯の児温泉
熊本県水俣市の不知火海に面した湯の児温泉。遠藤が島を背景にした不知火海の美しい夕景で知られる海辺の温泉地で、天草諸島・松島を眼下に見渡す風光明媚な立地。泉質はナトリウム-塩化物泉で保温・美白・保湿効果に優れた湯ざわり。湯の児海上温泉として海上に浮かぶような『海の見える湯』が名物で、海に沈む夕陽と一体化した露天風呂は格別です。水俣の海鮮料理や不知火海の夕景を愛でながらのんびり過ごせる、九州では数少ない海辺のリゾート温泉地として人気を集めています。

玉名温泉
熊本県玉名市立願寺、菊池川沿いに湧く古湯。傷ついた白鷺が湯で傷を癒すのを疋野長者が見つけたという開湯伝説が伝わり、1300年にわたって湧き続けてきたとされます。泉質は弱アルカリ性の単純温泉で無色透明、刺激が弱く肌にやさしい湯として知られ、美肌の湯とも呼ばれます。神経痛・筋肉痛・関節痛などに適応があるとされ、疋野神社の門前に湯宿が並びます。玉名ラーメンや南関揚げなど土地の味も近くで楽しめます。

阿蘇内牧温泉
熊本県阿蘇市、阿蘇カルデラの北側に開ける内牧の田園に湧く温泉地。熊本県の公式温泉サイトによれば130を超える源泉があり、旅館・ホテルが約17軒、「町湯」と呼ばれる公衆浴場が7軒点在する。泉質は硫酸塩泉のほか単純温泉や炭酸水素塩泉があり、メタケイ酸を多く含む施設が多い。無色透明でやや熱めの湯は飲用もできる。100年を超える歴史を持ち、夏目漱石や与謝野鉄幹・晶子夫妻が訪れた宿が残る。阿蘇山の火口見学と合わせて泊まれる阿蘇観光の拠点。

阿蘇温泉
熊本県阿蘇市を中心に、阿蘇カルデラの内側に湯が点在するのが阿蘇温泉。中心は阿蘇市の内牧温泉で、熊本県の観光サイトによれば130を越える源泉があり、旅館・ホテル約17軒がそれぞれ自家源泉を持つ。泉質は硫酸塩泉を主体に単純温泉・炭酸水素塩泉が混在し、メタケイ酸やリチウムを含む湯が多い。無色透明でやや熱めで、飲用できる湯もある。「町湯」と呼ばれる公衆浴場が7軒あり湯めぐりができる。夏目漱石や与謝野鉄幹・晶子夫妻も訪れた。JR阿蘇駅からバスで約15分。

黒川温泉
熊本県阿蘇郡南小国町の阿蘇外輪山、標高700mの谷あいに広がる黒川温泉。田の原川の両岸に約30軒の旅館が軒を連ね、すべての旅館に露天風呂が整備された日本有数の『露天風呂の里』。泉質は硫黄泉を中心に7種類、「入湯手形」(大人1,500円、子供700円、有効6か月)で3か所の露天風呂を巡るシステムが人気。川沿いの露天風呂と一体化した景観、湯上がりには『湯あがり抹茶プリン』が名物です。JR阿蘇駅よりバス53分+タクシー10分、福岡から高速バス約3時間でアクセス可能。
